
All about PinPoint™ Mode
PinPoint™モードとは
PinPoint™モードは、Park Systems AFM独自の モードであり、高速フォースマッピングを介して正確で定量的なナノメカニカルイメージを提供します。 凝着力、弾性率などのナノ機械特性の測定に加えて、PinPoint™モードで制御された接触力と時間により、より正確でサンプルダメージの少ない電気および電気機械特性イメージングが可能です。 PinPoint™モードはParkの第2世代AFMのいくつかの従来のモードを1つにしたカスタマイズ可能な強力な機能です。
PinPoint™モードの原理
PinPoint™モードでは、カンチレバーがスキャン領域全体の各ピクセルに接触したり後離れたりを繰り返し、サンプル表面の3Dトポグラフィーとナノメカニカル情報を同時に取得します(たとえば、256 x256ピクセル= 65536測定ポイント)。各ピクセルで、XYスキャナが完全に停止し、チップとサンプル間の接触力と接触時間を明確に制御して、高速フォースディスタンスカーブ作成されます。
PinPoint™モードの性能
PinPoint™モードには、トポグラフィー、剛性、弾性率、および 凝着力をリアルタイムで同時に収集する機能があります。 PinPoint™モードは、数ナノニュートンまでの力のアプローチ・リトラクト技術でチップを動かすことにより、せん断力を排除し、チップとサンプルの状態を維持する摩擦のない操作を保証します。
さらに電気特性および電気機械特性測定モードと組み合わせができ、せん断力に敏感な柔らかいサンプルの非破壊的な特性評価が可能です。

ParkSystemsによるPinPoint™ナノメカニカルモードの動作原理:
プローブをポイント1から4移動し、各ポイントでフォースディスタンスカーブを取得してナノ機械特性を定量します。

電気特性および電気機械特性測定モードの組み合わせ

PinPoint™ C-AFM
再現性の高い非破壊的な電流イメージングのためのPinPoint™ C-AFM
PinPoint™ C-AFMは、以下の理由により、従来のC-AFMと比較して、トポグラフィーとカレントの両方の測定においてより高い精度で測定を行います:
- せん断力の減少により、チップの品質と寿命が維持され、再現性が向上
- チップの摩耗が少ないため、空間分解能が向上
- 高精度の電流検出のための接触力と接触時間の制御
- 特に柔らかいポリマー表面などでのサンプルの状態を維持するための接触力の定義
- 形状、導電性、機械特性の同時取得

PinPoint™ SSRM
半導体アプリケーションで最適な結果を得るためのPinPoint™ SSRM
従来のSSRM操作に比べ、PinPoint™ SSRMは次の点を改善します:
- せん断力を減らすことでチップの寿命を延ばし、サンプルのダメージを減少
- 制御された接触力と接触時間により、より正確な電気信号検出
- カレント、コンダクタンス、レジスタンス、トポグラフィー、およびナノ機械特性の同時取得

PinPoint™ PFM
ナノスケールでの電気特性測定を強化するためのPinPoint™モード
従来のコンタクトPFMに比べ、PinPoint™ PFMは、柔らかいポリマーサンプルのトポグラフィーと圧電データを非破壊で取得します。 PinPoint™ PFMは以下の項目を提供します。
- 再現性のある正確な圧電応答測定のための制御された接触力と接触時間
- チップの摩耗の低減による高い空間分解能
- せん断力の低減による特に柔らかいサンプルの非破壊的イメージング
- 圧電応答、形状像、ナノ機械特性の同時取得
アプリケーション例
故障解析と欠陥認識

PinPoint™ C-AFMにより、SRAMなどの半導体デバイスの電気設計を以下のように、故障解析に必要な高精度で再現性の高い特性評価を実現します:
- 非常に高い信号対雑音比を可能にする制御可能なデータ収集時間
- 摩擦のない誘電率スキャン
- 繰り返し測定による再現性のあるデータ
- より長持ちするAFMプローブチップによるコストの削減
PinPoint™ C-AFMによる半導体デバイスの故障解析
- 障害のあるデバイスのコンポーネントでリーク電流が観察(黄色の矢印でマークされたリークコンポーネント)。
- リーク電流は、障害のあるデバイスコンポーネントの下のnドープ領域の接触から発生
細胞生物学およびライフサイエンス
アプリケーション

PinPoint™モードは、以下のように生体サンプルの正確なナノメカニカルイメージングを提供します:
- 凝着力、弾性率、剛性、変形などのナノ機械特性のマッピングに加え、ナノメートル分解能でのトポグラフィー
- サンプルの位置と方向を明らかにする相関トポグラフィー図を用いた弾性率の高速で定量的なイメージング
- トポグラフィーとフォースディスタンスデータの同時取得による位置エラーの回避
- 従来のAFMイメージングで頻繁に観察される、 液体中の細胞または生物学的サンプルの引っかき傷や縞模様などのサンプルの損傷を防止
PinPoint™ ナノメカニカルモードで測定された細胞の機械特性
ポリマーサイエンス

市販のテフロンポリマーのPinPoint™ ナノメカニカルイメージング
市販のテフロンテープ上のDMTモジュラスの高分解能ナノメカニカルマップ。平均弾性率約400MPa。結晶領域では500〜600MPaを示す。
こちらのグラフは、弾性率画像の断面プロファイルを示しており、テフロンドメインの弾性率の違いを示しています。
2D 材料

SiO2上のMoS2のPinPoint™ ナノメカニカルモードでの水平間力顕微鏡(LFM)